会長 田中 豊
早川恭弘会長の後任として,先の学会総会において2024,2025年度の会長に指名されました田中豊です.これからの2年間,副会長,理事,監事の皆様とともに学会運営を担ってまいります.何卒よろしくお願い申し上げます.
一般社団法人日本フルードパワーシステム学会は,日本油空圧協会として1970年(昭和45年)に設立され,その後,1982年(昭和57年)に社団法人日本油空圧学会となり,2001年(平成13年)に社団法人日本フルードパワーシステム学会と名称変更し,2012年(平成24年)に一般社団法人に移行し今日に至っております.
2020年から2023年にかけてのコロナ禍の4年間は,前々任の眞田一志会長と前任の早川恭弘会長の力強いリーダーシップの下,学会創立50周年の記念式典や記念行事,記念パーティーが執り行われ,本学会も節目となる50周年の行事を滞りなく行うことができました。ご協力いただきました学会会員の皆様や賛助会員企業の方々に厚く御礼申し上げますとともに,今後も引き続き皆様からのご支援をよろしくお願いいたします.
さて当学会の現状を俯瞰(ふかん)すれば,退職等にともなう熟年会員数の減少と若手会員数の伸び悩みが続いています.今後30年間の当学会の持続的な発展のためには若手会員の増強は大きな課題の一つです.新たな試みとして一昨年度より基盤強化委員会が中心となり,大学・大学院・高等専門学校などの学生を対象にキャリア支援セミナー企画をリモートで開催し,多くのフルードパワー関連企業の技術者と学生との交流を進めました.フルードパワー関連の教育機関の研究室に所属する学生会員が,就職後に若手企業会員として継続して会員となることを期待しております.
また安定的な学会運営のためには,教育研究機関と企業との連携による産学連携は欠かせません.春と秋の定期講演会や各種セミナーの実施,フルードパワー工業会などとの協力を通して,フルードパワーに関する企業サイドからの技術相談体制をより一層強化してまいります.また工業会と協力して実習付きの空気圧基礎講座を大学の学生へ出前授業として行い,若手のフルードパワーのファンを増やすことを計画しております.会員の皆様にもこれらの企画を積極的にご活用いただければ幸いです.
今年度は9月18日~ 20日にIFPEX2024(フルードパワー国際見本市)が東京・お台場,10月22日~ 25日にはフルードパワー国際シンポジウムが広島で開催されます.また6月21日の春季講演会では中国から燕山大学教授の艾超(Ai Chao)先生をお招きした特別講演会も実施されました.さらに来年度は国際交流委員会を中心に日中韓フルードパワーワークショップの開催企画も進められています.また今後の発展が大いに期待されるインドのフルードパワー関連団体との交流も始まりました.コロナでここ4年ほど途絶えていた海外との交流がこれらの国際企画を通して再び動き出しつつあります.会員の皆様にはぜひこの機会を活用して国際交流を深めていただければ幸いです.
学会誌の創刊号(1970年10月号)で初代の丹羽会長は「技術力の健全な発展の母体は理論であり,学会の機能は,技術者に答え,助け合う機構であり,学会の本質は,開放された技術と理論の共通の広場である」と述べられておられます.学会の使命は産学に広く開かれた技術と理論を議論しあうフルードパワー技術研究の広場を提供していくことであります.そのような観点から,会員の皆様や事務局の皆様のご支援を頂きながら,当学会の運営に努力していく所存です.今後とも皆様のご理解とより一層のご支援ご協力を賜りますことをお願い申し上げます.