名誉会員 高橋浩爾氏の逝去を悼む

(2020年9月7日ご逝去)



ご略歴
 1932年11月22日生
 1955年 大阪大学工学部機械工学科卒業
 1955年 倉敷レイヨン株式会社
 1962年 上智大学講師
 1964年 上智大学助教授
 1970年 工学博士(大阪大学)
 1974年 上智大学教授
 1975年 上智大学電子計算機室長
 1980年 上智大学理工学部機械工学科長
 1982年 上智大学大学院理工学研究科機械工学専攻主任
 1987年 上智大学名誉教授

 1988年~1992年 (社)日本油空圧学会副会長
 1992年~1994年 (社)日本油空圧学会会長
 1998年~    (社)日本油空圧学会名誉会員


 本学会元会長 上智大学名誉教授 高橋浩爾先生は,去る9月7日膵臓がんのため,87歳にてご逝去されました.
 先生は1962年に,上智大学に着任されて以来,長きにわたり,流体工学,特に油圧工学に関する先駆的研究を数多くされました.なかでもポペット弁をはじめとする流量制御弁の特性の解明,流線座標を用いた弁など油圧機器内の流れの解析さらに油圧駆動システムの動特性解析へのボンドグラフの応用,適応制御理論の油圧システムへの応用など,流体制御工学および技術に大きく貢献されました.
 先生は,本学会の設立当初から学会の運営にかかわられ,国際化にも大きな貢献をなさいました.アーヘン工科大学,バース大学に客員教授として滞在され,交流を深められました.また,1980年代から,中国の大学との交流に取り組まれ,6名の工学博士誕生に尽力されたほか,多くの研究者,学生を受け入れ,中国各地の研究者との交流を広められました.また,1988年の本学会の第1回油空圧国際シンポジウム開催に際しては組織委員会の幹事を,1993年の第2回シンポジウムでは組織委員長を務められ,現在まで続いている本学会の国際シンポジウムの基礎を築かれました.
 もう一つのご功績は,油空圧分野の規格制定にご尽力されたことです.長年,JISやISO規格制定にかかわられたことに対して,1993年に通商産業大臣表彰,2000年秋の叙勲で藍綬褒章を受章されておられます.
 ここに高橋浩爾先生のフルードパワー工学ならびに本学会に対する長年にわたる多大なご貢献に対して深く感謝申し上げますとともに,ご冥福を心からお祈り申し上げます.


会長 眞田 一志(横浜国立大学)



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